私たちのこだわり
1.信頼できる漁師から魚を仕入れています
愛媛県宇和で船長をしていた 創業者渡邊朝夫(わたなべ あさお)が山陰のお魚のおいしさに魅了され出雲に来て干物屋を創業。
この地域の魚は、よく脂がのっていて他県の同業者からも高い評価を得ています。
渡邊水産が干物として利用しているものは、ほとんどがこの山陰沖で獲れる刺身でも食べられる新鮮な魚です。
また、魚の鮮度を保つためには船上での処理も大事です。
そのため渡邊水産では、信頼できる漁師さんから 「鮮度が良く旬の美味しい魚」を仕入れています。
良い素材を使わないと、職人がどんなに手をかけてもよい干物にはなりません。
そしてどんなに良い素材を使っても職人の技量が足りないとその素材が持つ美味しさを引き出せません。
この点はブドウの出来で、品質が左右されるワイン造りにとても似ているかもしれません。
良い魚を仕入れると、どうしても原価率が高くなってしまいます。
しかし、「とんでもなく美味しい干物をつくりたい」と思うと、一番大切でゆずれないポイントです。
2.添加物は使いません
「本当においしいものは毎日食べ続けられるもの」
私たちの干物にはアミノ酸やビタミンC、着色料・保存料などの添加物を一切使いません。原料は魚と塩のみです。
保存料を一切使用していないため解凍後、すぐに色が褪せますが、これはむしろ自然なことだと私たちは考えます。
むしろ腐りにくい食べ物が、はたして私たち生き物の体内で正常に消化できるのかと考えると心配です。
私たちの干物は顔色がすぐに悪くはなりますが、体に優しい干物です。
化学調味料は1口目、2口目は美味しく感じますが、徐々に食べ進めるとその味に飽きてしまいます。
なにより食品として昔になかった人為的につくられたものを加えるのは不自然だ、と私たちは考えているからです。
子供たちが安心して食べられる日本の伝統的な食品「干物」を次の世代にも伝えていきたいと日々考えています。
3.職人の手作業にこだわります
渡邊水産では塩で味をつけるのではなく、魚の持つ本来の味を引き出し「旨味を増やす塩加減」を常に意識しています。
そのためには、その魚の脂質に合わせた塩分濃度と塩水漬け時間を調整する必要があります。
ただこの見極めは非常に難しいです。特に旬の時期の魚は、1日で身の太り方が変わります。
そんな、繊細な変化にも気づけるのが「手で捌くこと」の良さだと考えています。
脂質の変化は、魚を開くときの包丁の滑りで見ています。
また干し加減も干物には重要な要素です。干物は、適度なシワがある方が「美人」と評されます。
シワがあるのはきちんと干しあげられている証だからです。適切に干した干物は、加熱すると内部の水分が皮を膨らませ、
ふっくらジューシーな食感になり、魚本来の旨味が口いっぱいに広がります。
水分量が多すぎると冷凍時に細胞膜が壊れ、解凍時に旨味も流出する「ドリップ」が発生します。
渡邊水産では半世紀にわたり受け継いできた熟練の職人の技術により、ドリップが出過ぎない最適な水分量を干物ごとに
見極めながら干し加減を調整しています。