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■ シロイカ一夜干し

「イカ」と言えばという問いかけに、皆さんは何イカを思い浮かべるでしょう。スルメイカ?ケンサキイカ?ソデイカ?アオリイカ?はたまた人間を襲うような大きなイカを思い浮かべる人もいるかもしれません。あるいはイカ刺、イカ焼、イカ飯など、食べることを最初に思い浮かべるかもしれません。

イカの種類なんてそんなに知っている人は少ないかもしれませんが、漁師さんにこの問いかけをするとこのような答えがよく返ってきます。「そらマイカだわ」。この「マイカ」というのが曲者で、その土地、土地によってスルメイカだったりケンサキイカであったりするわけで、標準和名で区別している水産試験場の研究員にとっては実に厄介です。その地方で大量に捕獲され、良く食卓に上るイカを「マイカ」と呼ぶ傾向があります。島根県の「マイカ」は石見地方ではケンサキイカ、出雲・隠岐地方ではスルメイカのことを指しています。

 さて、ケンサキイカに話を戻します。ケンサキイカは「マイカ」のほかにも「シロイカ」、「ケンザキイカ」、「ブトイカ」などと呼ばれ、スルメイカやヤリイカに比べやや暖かい海を好み、青森県以南の日本周辺からフィリピンまでの大陸棚上に広く分布しています。産卵期は春から夏にかけてで、海底の砂地などに、200〜400個の卵の入った小指ほどの太さで、長さ10〜20センチの透明な寒天質状の「卵嚢」を産み付けます。一匹の親が生みつける卵嚢は50本にもなり、産卵数は1万個を超えます。  島根県沿岸域では、5〜7月にかけて産卵のため岸近く(水深20〜40m)に寄り、7〜8月にかけてやや深場に移動し、9〜11月には水深60〜100m付近を中心に分布しています。

 

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